スペック比較から考えるシーン別のメリット
有効画素数4575万画素とISO 64-25600を両立させた裏面照射型のローパスフィルターレスのCMOSセンサーを搭載。デジタルカメラの心臓部とも言える、センサー部分のスペックに差がない以上、純粋にミラーレスと一眼レフのメリットの差が2機種の違いと言えるでしょう。その中で、もっとも大きいのが外観の大きさではないでしょうか?バッテリーとメモリーカードを装着すると1Kgを超える「D850」。手ブレ補正搭載の最新標準ズームレンズ「AF-S 24-70mm F2.8E ED VR」を組み合わせると総重量2Kg以上に。一方の「Z7」なら「Z 24-70mm F4 S」の組み合わせで1175gと約半分の重さで済みます。持ち出すなら断然ミラーレスでしょう。しかし大きいのが全て悪い訳ではありません。より厚みのある「D850」のグリップは望遠レンズなど大きなレンズを使用する際の安定感が違います。「両方買ってレンズによって使い分ける」そんな贅沢が究極の選択肢なのかもしれません。
電子ビューファインダーと光学ファインダーの違い
約369 万ドットの有機EL パネルを採用した電子ビューファインダーは、視野率約100%、ファインダー倍率約0.8 倍。収差が少なくクリアーな、光学ファインダーに迫る自然な見えを実現しています。
ニコンデジタル一眼レフ史上、最大のファインダー倍率0.75 倍!視野率も上下左右約100% です。光学系に非球面ガラスレンズなどを採用し、長いアイポイントを確保。大きなファインダー像で被写体や構図を的確に確認できます。
ホワイトバランスやピクチャーコントロールの設定を撮影中に確認できます。太陽のような強い光源を写真に入れても、強烈な光で目にダメージを与えることがありませんし、露出補正もスムーズです。また、MF 撮影時はピント面を拡大表示することで、より精密なピント合わせが可能です。
D5と同じ丸型アイピースの採用で、アクセサリーが充実。標準装備のアイピースはフッ素コートにより手入れがしやすく、常に清潔な状態が保てます。オススメなのがファインダー倍率を1.2倍拡大する「DK-17M」。大きなファインダーがさらに一回り大きく見えるので、MFでのピント合わせが快適になります。
Z7のファインダーを覗いて、その美しさに驚愕しました。歪みが少なく、隅々までクリアーで明るい視界は、光学ファインダーに匹敵すると言っても過言ではありません。各種設定の表示も可能でファインダーから目を離すことなく設定変更できるのは大きな魅力です。1つ注意点を上げると、EVFファインダーの画像は実際の撮影データより明るく見えるので、露出補正する際はご注意ください。
シャッター音の違い
※再生時に音が出ます、ご注意ください。動画はIE環境非対応です。別のブラウザからご視聴ください。
中古商品の動画掲載スタート 商品ページでも商品状態と一緒にシャッター音もご確認いただけます。>>
心地よいシャッター音です。さらに「サイレント撮影」に切替えれば、シャッター音を無くした静音撮影が可能になります。動画では分かりづらいかもしれませんが、ちゃんとシャッター切っています。
ライブビュー時に電子シャッターを使用する「サイレント撮影」の他に、カメラ内の駆動部を低速で動かすことで振動等を抑制する静音撮影モードを搭載。一眼レフでもブレのないシャープな画像が得られます。
双方共、心地よいシャッター音が確認できました。一方でZ 7の「サイレント撮影」は凄いの一言。ほぼ無音と言って差し支えないでしょう。シャッター音とは少しズレてしまいますが、D850は最大200コマの連続撮影が可能で、息切れ知らずの撮影が楽しめます。連写派には断然、一眼レフがおすすめです。
マウント(交換レンズ)の違い
画像周辺部のクオリティーを高めるべくマウントを大口径化。レンズの最後端からセンサーまでの距離を短くすることで、高画質な光学設計が可能になり、またマウントアダプターを使用することでマウントの垣根を無くした幅広いレンズ遊びが可能です。
来年で60 周年を迎える不変のFマウントは、これまで450 種を超えるレンズが製造されました。レンズメーカーから販売されている互換レンズも多数あり、豊富なレンズ群が大きな魅力です。また「AF カップリング」が搭載されているためAFモーター非内蔵レンズでもAF が動きます。
小型・軽量化されたミラーレス機用のレンズ。レンズ単体で見ると、ちっとも小さくありません。しかも高い!これを見てZ7の購入をためらった方も多いのではないのでしょうか?でもよく考えてください。このレンズにはそれだけの価値があります。4575万画素の新しいカメラの性能を存分に引き出す光学性能に、F1.8とは思えない大きなボケ味。階調性も素晴らしく新次元の光学性能が体感できます。
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レンズロードマップが公開され、今後の充実が待たれるミラーレス用レンズ群ですが、2018年11月1日現在、Z7用の新マウントレンズは「Z 24-70mm F4 S」と「Z 35mm F1.8 S」の2本のみ。この本数を補うのが「マウントアダプターFTZ」です。中古でも多数のレンズがお求めやすく手に入ります。豊富なニッコールレンズ群を存分に楽しむことで新システムの良さがさらに大きくなります。
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同じ焦点距離のレンズでの撮り比べ
■ 広角端(焦点距離24mm / F4 / 1/1000秒 / ISO 64)
Z 7 + Z 24-70mm F4 S(広角端:クリックで拡大)
D850 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(広角端:クリックで拡大)
■ 望遠端(焦点距離70mm / F4 / 1/1000秒 / ISO 64)
Z 7 + Z 24-70mm F4 S(望遠端:クリックで拡大)
D850 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(望遠端:クリックで拡大)
両機とも画面周辺までよく解像しているのが分かります。広角端での周辺の流れも違いは感じられません。AF-S 24-70mmの方が1段絞っている分、周辺光量減が抑えられていますが、その差も僅かです。間違い探しに近い酷似した画像ですが、「Z7」の方が暗部の締まりが良いように感じます。広角端画像の下段中央部を拡大してご覧ください。ガラス越しに映る奥の建物の手すりを、よりシャープに捉えているのが分かります。画質は新モデルで確実に進化しています。
■ 近接撮影(焦点距離70mm / F4 / ISO 200)
Z 7 + Z 24-70mm F4 S(最短撮影距離:30cm)
D850 + AF-S 24-70mm F2.8E ED VR(最短撮影距離:41cm)
望遠端で被写体ギリギリまで寄って撮影しました。レンズの最短撮影距離差が一目瞭然の結果になりました。Z7の方が寄れる分、被写体の質感をより鮮明に捉えています。Zシリーズのレンズロードマップにマイクロレンズの名がないのは、一般レンズで十分カバーできるという自信の表れかもしれません。一方でボケ味は、AF-S 24-70mmの方がより柔らかく感じます。F2.8レンズを1段絞った分の余裕と、「Z7」の色が強めに出る傾向が影響したものと思われます。
コストパフォーマンスを考える
Z7用のレンズの少なさを考慮すると「マウントアダプターFTZ」は、必要不可欠と思います。ですので「Z7」はFTZマウントアダプターキットで比較しました。
後継モデルやライバル機の登場により、価格変動が生じやすいデジタルカメラは、発売からの時間の経過に比例してお求めやすくなります。もちろん、待っている間に撮影チャンスは失われますから、購入のタイミングは難しいのですが...。実際に価格を見比べて見ると、「D850」の中古商品のお得感が突出しているのが分かります。「Z7」の登場によりお買替え需要から、中古在庫が増えているためでしょう。綺麗な商品も多く、性能も文句なし。Zシリーズのレンズが増えるまで、「D850」を使用するというのが賢い選択肢なのかもしれません。
写真からカメラ、レンズの魅力を感じ機材選びを楽しむ。
筆者はNikon D850を下取りに出してZ7を購入しました。懐事情でレンズまで購入できなかったこともあり、現状ではD850の方が使い勝手が良かったなと、一眼レフを手放してしまったことを少し後悔しています。画質面での不満はありませんでしたし、SDカードも使えました。ほぼ完成形の域にある一眼レフにはケチのつけようがないのです。しかし、新レンズをKasyapaの撮影で使って考え方が一変。Zシリーズの高画質を知ってしまいました。Z7にはマウントアダプターを使用した際に一部のレンズでAFが上手く動作しない点や、ファインダーが明るくクリアに見える分、感覚と撮影データに差異が出るなど、多少改善してもらいたい箇所もあります。しかし4575万画素による新次元の画質には些細な不満など吹き飛ばすパワーがありました。断言します!ミラーレスor一眼レフを使い勝手だけで選ばないでください。ニコンのミラーレスは、新次元の光学性能を手にするためのステップアップなのです。
Fマウントレンズの限界を超え、
ニコン画質は新たなステージへ。
レンズ選びも重要です!
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