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SONY RX1RIIインタビュー

コンパクトデジタル機のサイズに4240万画素のフルサイズセンサーを詰め込んだ最強スペックのデジタルカメラ『SONY RX1RII』。先代から「よくこんなに小さくできたものだ」と驚きましたが、今回はその小さなボディにポップアップ式のファインダーを搭載してくるという技術を投入してきました。性能だけみれば最先端を行くのハイテク技術の結晶のようなカメラではありますが、その姿は往年の『カメラ』を意識するようなアナログ的なデザインと操作系になっています。果たして『SONY RX1RII』が目指した『カメラ』とは一体何なのか、今回はメーカーインタビューに加え、発売前の製品を用いて実際に撮影を行っている風景写真家の福田氏のご意見も伺いながら『SONY RX1RII』の魅力をお伝えしていきます。

4240万画素が生み出す超高画質

マップカメラ商品担当

RX1RIIの最大の魅力は気軽に取り回せるサイズ感のカメラボディに、高解像・高感度・高ダイナミックレンジを実現する裏面照射型の35mmフルサイズセンサーを搭載したカメラであることだと思います。

マップカメラ商品担当

こういった渓流をスローシャッターで絹のように表現しつつ、木々や葉の細かい描き分けを見せつけるような作例カットは、少し前までは中判デジタルカメラなどの土壌でした。
一般的なコンパクトデジタルカメラよりは大柄とはいえ、このRX1R IIと同等の画質を誇るカメラというと同社のミラーレス一眼『α7RII』や、競合他社のフルサイズデジタル一眼レフとなってしまい、レンズも含めたサイズで考えれば圧倒的な優位がうかがえますね。

写真家福田氏

そういう被写体に向き合いたくなるカメラに仕上がっていると感じました。旧モデルにあたる「RX1R」も当時としては高精細画質モデルではありましたが、モニターで両機の画像を比較してみると画素数以上に納得のいく精細感・先鋭度の違いが感じられました。一度撮影をして頂ければ作品作りに没頭する気持ちにスイッチが入るというか、その気にさせてくれるカメラだと感じるはずです。

シャドー部の階調とハイライトの粘り

マップカメラ商品担当

α7RIIと同等スペックのセンサーということで、試写を行った感覚からも画質には期待大ですね。

写真家福田氏

それでは撮りたての写真を見ていただきましょうか。
夕やけのグラデーションが美しく、夕陽が海面に当たっている印象的な写真です。また、拡大するとサーフィンをしている若者もしっかり捉えており、解像感が非常に高いです。
ダイナミックレンジの広さ、特にシャドー部の階調表現とご一緒にご覧ください。

写真家福田氏

朝露(あさつゆ)に濡れた板の目が朝陽に照らし出されて非常に印象的な一枚です。拡大すると釘の一本一本が立体的に捉えられており、こちらも圧巻です。

マップカメラ商品担当

この板の目の階調、触れられるように見えるほどの質感描写は圧巻ですね。

写真家福田氏

続いては波が打ち寄せる岩場のカット。低照度での描写を試してみました。

写真家福田氏

続いては波が打ち寄せる岩場のカット。低照度での描写を試してみました。

写真家福田氏

また、ハイライトの粘りも非常に良好なんです。
これはお気に入りのカットなんですが、スコンと白飛びしているわけではなくうっすらと階調を残しながら消失していうようなところが、とても好感触です。風になびく女の子の髪の毛の描き分けや柔らかさなんかも素晴らしい。

印象的に写し出すZEISSレンズと4240万画素センサー

sony柴田氏

このカメラのコンセプトは、手のひらサイズながら究極の解像度で瞬間を捉えるフルサイズコンパクトカメラです。
ソニーはセンサー・レンズ・画像処理エンジン、この3つのコア技術をすべて自前でもっており、その最新のものをすべてつぎ込みました。
レンズについては前モデルから質の良いものを引き継いでおり、センサーは35mm判フルサイズでありながら裏面照射式、画像処理エンジンも「BIONZ X」とデジタル部分は最新世代のものを惜しみなく投入しました。
4240万画素と高画素化し、画素ピッチが細かくなるデメリットを改善するために、裏面照射式のCMOSセンサーを採用し集光率をアップさせたり、配線を銅に変えたり、電気処理回路自体も面積を拡げられ大きくなっているため、処理速度・能力も大きく向上しています。

写真家福田氏

ここまでの描写力があると、ただ日の丸構図で花を撮ってみただけでもすごく良いんですよね。

マップカメラ商品担当

おお!たしかに絵画みたいな仕上がりですね。
このように素晴らしい写りだと他の焦点距離のレンズも欲しいと思ってしまうのですが、35mm単焦点に据え置いた理由というのはあるのですか?

sony柴田氏

ユーザーフィードバックとして28mm、50mm、80mmなどの要望を頂いていました。しかしレンズを変更しなかった理由としては、本体サイズの見直しをせずにコンパクトなサイズと描写性の両立、またポートレートから風景まで使える汎用性の高さを考え、据え置くことに決めました。

マップカメラ商品担当

35mm単焦点となるとEマウントに『FE 35mm F2.8』がありますよね。正直な話、描写力は『α7RIIにFE 35mm F2.8』と『RX1RII』ではどちらが上なんでしょう?

sony柴田氏

『RX1RII』は画質にこだわって作っていますので工場にて一台一台テストして周辺画質をチェック・調整をしてから出荷されています。
『FE 35mm F2.8』も素晴らしいレンズですが、ボディとレンズのマッチングを考えると『RX1RII』の方が上と言えるでしょう。

小型なボディと速射性を活かしたスナップでも、この高画質

写真家福田氏

さらに気軽にスナップ撮影ができるカメラボディでありながら、ふと切り取った一枚がとてつもなく高画質なんです。

マップカメラ商品担当

小さいことのメリットは計りしれないですよね、撮影に臨む気持ちも変わってきます。
コンパクトデジタルカメラから中判デジタルカメラまで試写に行っていますが、あまり大仰なシステムになると“ふとした瞬間を収める”ようなことが難しくなってくるんです。

sony柴田氏

今回は『α7RII』と同じ399点の測距点を持つAFユニットを採用しました。AFスピードも数値上では30%向上とありますが、体感的には50%くらいの向上に感じられると思いますが実際に使ってみてどうでしたか?

写真家福田氏

従来モデルと比較しては劇的な改善がみられましたね。
特にフレキシブルスポットAFで画面上のほとんどの範囲に合焦するため、構図の制約もなく、非常に画作りがしやすい。測距点の変更もストレスなく行えました。

マップカメラ商品担当

絞り開放だと被写界深度が浅いので思い通りのところにピントが来ないと話にならないのですが、『RX1R MII』は迷わずピシッと合わせてくれます。
AFスピードも早いですね、使用してみて不満点を全く感じませんでした。

制約されることで広がる表現方法

写真家福田氏

焦点距離35mmの単焦点が固定されているカメラですが、撮れる画が素晴らしいだけに色々な表現にチャレンジしたくなるカメラですね。

写真家福田氏

こちらはあえてブラして撮ってみたカットです。素直におもしろいと思うんですがいかがでしょう。なんで手振れ補正がついてないのかという見方も当然あるとは思うんですが、逆に制約があるこそ工夫が生まれるんじゃないでしょうかね。

マップカメラ商品担当

35mmの単焦点でレンズ固定式。ひとつの画角でしか撮れず不便だと思わずに、もう一歩先に踏み込んだところに表現手法の広がりを見つけられる、ということでしょうか。機能に頼りがちな身としては耳が痛い気がします(笑)

ポップアップ式ファインダーとチルト式の背面液晶

sony柴田氏

ファインダーに関しては前モデルのような外付けではなく、RX100M3・M4のような本体内蔵のポップアップ式を採用しました。また、RX100M3・M4では接眼部を手動で引き出す構造だったのですが、『RX1RII』ではその必要がなくなった点も大きいです。

マップカメラ商品担当

初め手にした時、これは驚きました。こんな小さなボディにフルサイズセンサーとファインダーをどうやって組み込んだのだろうって。そして覗いてみると、ファインダー倍率が高くてとても見やすい事にさらに驚きました。

写真家福田氏

コレいいですよね。今回の撮影はほぼファインダー撮影で行いました。

sony柴田氏

背面の液晶もチルト可動式に変更したのですが、こちらについては実際の撮影でいかがでしたか?

写真家福田氏

アイレベルで撮影する以外のカットはチルト液晶は非常に重宝しました。目線を足元に落とすと視える世界が全く別物になってくるんです。

マップカメラ商品担当

わかります。液晶が動かないカメラの場合でもノーファインダーで撮影したりもしますが、やはりヒット率が全然変わってきますね。
液晶を上面に向けるとハッセルのウエストレベルファインダーのように使えるのでスナップ撮影に非常に使える機能ですね。

高感度耐性と手持ち撮影

マップカメラ商品担当

今回ざっと見せて頂いただけでもかなり多様なバリエーションの写真がありました。APS-Cモデルも含めて、画質特化のハイエンドコンパクトカメラは手振れ補正が搭載できていなのが今後の課題というか、ニーズがとてもある部分だと感じます。ブレをあえて利かせたカット以外で、手振れが気になるシーンはありましたか。

写真家福田氏

正直問題は感じませんでしたね。
もちろん手振れ補正がついていればそれに越したことは無いんでしょうけど、やはりこのカメラは軽量でコンパクトでこの画質というのが最大のウリだと思いますからね。
それに高感度も想像以上に強いんですよ。そのことでシャッタースピードを上げて撮ることもできる。

写真家福田氏

画素数を上げると高感度が弱くなるのが今までのカメラでの定説でしたが、裏面照射式を採用しているということでISO3200くらいまで上げても問題なく使えるんです。
次の写真はISO3200で夜の富士山を撮影したのですが、色がちゃんと出て黒が浮かない。そしてディティールの表現が素晴らしい。

マップカメラ商品担当

うわ!登山道までしっかり写ってますね!すごい!

写真家福田氏

街明かりが少し明るかったのですが、RX1R2は星空の小さな光も捉えてくれましたね。
旅先などで大きな機材がなくても、このカメラと小さな三脚があれば気軽に本格的な夜景を撮ることができると思いますよ。

史上初となる、光学式可変ローパス効果

写真家福田氏

正直なところ4240万画素の画素ピッチでは、モアレが気になるようなシーンはほとんどないです。拡大して細かいところまで荒探しをしてよやく、というのが正直な感想ですね。

マップカメラ商品担当

全景の中ではほぼ画の印象に影響のない局所的にだけ出るモアレ。
ただローパスレス仕様で解像力重視!と割り切ってしまっても良かったのではないかと思わせるほどの限られた部分なんですよね、きっと。
私はこれを打ち消すために新技術、可変ローパスフィルターを盛り込んでくるとことにSONYさんの熱意と良心を感じてしまいました。

『RX1RII』はどんなカメラだと言えるか

写真家福田氏

アナログの操作性と、デジタルカメラとしての最先端技術、ギミックを凝縮した非常に付加価値の高いカメラ。
前モデルの発売から約3年間の限られた時間の中での進化の度合は目覚ましい。一通りレンズを揃えて撮っている方には「本当にこれだけで大丈夫かな」と最初不安になってしまうかもしれませんが、これ(焦点距離35mm)しか無いと、制限された中でどういう風に写真を撮ろうか、どう楽しもうかというと創意工夫が生まれてくる。そうすると被写体を見る目線や感覚も変わってくるんですよね。
なんというか、レンズシステムの“しがらみ”から開放されて写真を楽しむことができるカメラなんじゃないかなと思います。だから安心してこれだけ(RX1RII)持っていけば十分楽しむことができますよ。

マップカメラ商品担当

常に肌身離さず持ち歩けるカメラとしては最高峰だと感じました。実際に手に取り、使用してみると最新技術やスペック値だけでなく、カメラとしての完成度が非常に高いんです。
やはりファインダーを覗いて直感的に操作・撮影できるのは使って気持ちが良いですよね。レンズも単焦点だからこそRX1RIIの魅力が感じられると思いました。写りは抜群に良いですし、フルサイズ機らしいボケ味や階調表現を楽しめます。
一眼レフを手放してこのカメラをどうぞ!とはなかなか言いづらいですが、散々レンズやカメラを使ってきた方のほうが本機の魅力に気付くと思います。便利だけじゃ無い写真を撮る面白さを改めて教えてくれるカメラだと感じました。

△▲△ 今回インタビューさせていただいた福田健太郎氏による『RX1RII』撮りおろし写真のギャラリーページはコチラから △▲△

△▲△ マップカメラのフォトプレビューサイト『Kasyapa』はコチラから △▲△

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