2019年5月16日にニコンZシリーズ用の「ファームウェア Ver2.0」が公開され、Zシリーズにも待望の『瞳AF機能』が追加されました。もはやポートレート撮影に無くてはならない機能である瞳AFをさっそく試してみました。
今回はモデルの 水穂 まき さんにご協力いただきました。 自称、雨女の水穂さん。筆者の強力な雨男パワーと相まって雨の中での撮影になってしまいました。新緑の綺麗な公園での撮影を予定していただけに少し残念です。撮影は東屋の中で行われました。真横からのみ光が差し込む難しいライティングです。それでもカメラは、水穂さんの顔を認識するとすぐに瞳を捉え始めました。
まず顔認証で輪郭をしっかり捉え、瞳にピントを追い込んでいく動きが確認できます。瞳を捉えたポインターには方向を示す三角印が表示され、これに合わせてセレクターを操作すると追従する左右の瞳を切り替えることができます。
追従面では柱の裏に隠れたなど、カメラが瞳を見失った後の復帰も早く、歩きながらでもしっかり追い続けてくれることが確認できました。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/50秒 / ISO:640 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S
さて、十分な追従性は確認できたものの、ニコンZシリーズにはポートレート撮影に最適なレンズが足りていません。
そこで重要になるのが、マウントアダプターFTZを介してFマウントレンズを使用した時の反応です。「AF-S 24-70mm F2.8E ED VR」でも同様の検証を行ってみました。
指先に伝わるAF動作の振動が若干強めに感じられるものの、追従性に差は全く感じられませんでした。
Fマウントにはポートレートの王道と呼ばれるレンズが数多くあります。これらで瞳AFが使えるのはまさに朗報。手ブレをサポートしてくれるのも嬉しいポイントです。
悪天候でも安心して撮影できる高い防塵・防滴性能を持つZシリーズ。意を決して雨の中へ飛び出してみました。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/800秒 / ISO:640 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S
傘を差し、歩きながらの撮影。振り返りに素早く反応するので、より自然な表情を撮影するのに最適な機能と感じます。何度か雨に濡れたビニール傘が顔を覆いましたが、その間もしっかり追い続けてくれました。
絞り:F2.8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:25600 / 使用機材:Nikon Z7 + NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S
涼しい風が吹き抜ける東屋内で、寒さ対策のために身体を動かしていた水穂さんを捉えたワンカット。縦横の動きはもちろん、前後の動きにも機敏に反応します。瞳AFの動きもご覧ください。
歩きながらの検証では、被写体との距離や角度に影響されないということが分かります。
瞳AFは動画撮影用の機能ではないため、動いてる最中も常にジャスピンかと言われるとそうではありませんが、ピンポイントで瞳を常に追い続けてくれるので、瞬間を狙うシーンの成功率は間違いなく向上するでしょう。
大きく機能が向上したZシリーズのVer.2.0。新たな領域へ踏み出したNikon Zの進化は止まりません。