デジタルカメラの2019年を語る上で、もはや欠かすことの出来ない重要な機能『瞳AF』。
自動で瞳を検知しピントを合わせてくれる、この驚愕の先進機能の進化については、当社マップカメラでも、「ソニー」、「ニコン」の人気ミラーレス機を中心に実際の認識性や追従性を個別に取り上げて皆様にお伝えしてまいりました。
今回は、以前お伝えした内容に対して皆様からいただいた反響に応えるべく、この瞳AF機能についての更なる深堀りを実施!前述の2大メーカーのボディを用いて、同一条件での撮り比べ、比較・検証を行いました。
まず撮影したのは、シャボン玉で遊ぶモデルのお子さんの眼にしっかり認識するかの検証です。
使用機材は35mm判フルサイズセンサー搭載ミラーレスの代名詞ともいえる、ソニー「α7シリーズ」のベーシックモデル『α7III』と、ファン待望・ニコンの新システムのスタンダードモデル『Z6』、レンズは両メーカーのフラグシップズーム『FE 24-70mm F2.8 GM SEL2470GM』と『NIKKOR Z 24-70mm F2.8 S』です。
公平性を保つために、大型の三脚とマルチアームを用いて2台で同時収録しています。
両機種とも顔よりも手前の位置に手やシャボン玉が出ていても、安定して「瞳」をとらえている様子が見てとれます。
更には、シャボン玉で遊ぶ様子に、上下の動きを加えてみましたが、顔が一時的にフレームアウトした状況でも、その後すぐに合焦する様子が見てとれます。
両機ともに安定してお子さんの「瞳」を捉えていますが、同一の動きの中で、「瞳」を捕捉する回数は、ややニコンに軍配が上がっている印象を受けました。
さらにニコンは今回の撮影シーンの様に、複数の人物を検知した場合、フォーカスポイントの横に、三角形の矢印を点灯させ、異なる「瞳」を認識しているサインと方向も知らせていることが確認いただけます。このことからも、カーソルが顔認識の最中にもそのAFの測距は「瞳」で行っていることがうかがい知れる形となりました。
上下の動きを加えて、「瞳」から顔認識、顔認識から別の人物への「瞳」と、瞬時にAFが切り替わる点は、複数のお子さんを狙う場合などに大きなアドバンテージとなってくれること間違いなし。
続いては、遠方からカメラに向かって近づいてくる被写体の認識・追従です。
機材は先ほどと同様、こちらも同時収録で撮影しました。
ソニー『α7III』の瞳AFはお子さんがカメラに向かって動き始める段階で、早くも「瞳」を認識。
動いている最中も安定して捕捉しつづけていました。
対するニコン『Z6』ではお子さんの接近に伴って、顔認識から切り替わるタイミングまで若干時間を要しました。
遠方の人物に対してもストイックに「瞳」捕捉を追求するソニーと、人物が近づいてくるまでは顔認識で捕捉するニコン。
両社の設計思想の違いも見てとれて大変興味深いですが、「遠距離でもお子さんの瞳をしっかりと捉えたい!」という場合にはソニーに軍配が上がると言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか、一口に「瞳AF」といっても、メーカーによって設計思想や動作の違いが見えたことで、より本機能についての興味を持っていただけたのではないかと思います。
今回のシチュエーションでは、複数の人物を捉えた際にはニコン、遠方の人物を捉えた場合ならソニーに軍配が上がりましたが、勿論使い方によってはこの限りではありません。
あくまで一例にはなりますので、機材選択の際のご参考として頂ければ幸いです。
実装からまだ間も無い機能ですが、早くもその存在は無くてはならない重要なファクターになろうとしている『瞳AF』。
マップカメラでは、これからも最新・先進の機能について深堀りを続けてまいります。
この先必ずや遂げるであろう、更なるカメラの進化とともに、マップカメラにも是非ご期待ください!